リバースモーゲージをご存知ですか?

皆さんはリバースモーゲージという言葉をご存知ですか?

言葉自体はけっこう前からあるのですが、あまり認知されていないのも現実ですよね。

「リバースモーゲージ」とは、高齢者が所有している自宅を担保に金融機関から融資を受ける制度で、通常の住宅ローンとは担保(抵当)の流れが逆となるため、リバース(逆の)モーゲージ(抵当)なのです。

65歳以上の持家率は80%を超えており、持家はあるものの生活資金が厳しいケースや子供がおらず財産を残しておく必要性が乏しいケースではリバースモーゲージという制度が大変有効となり、普及が期待された仕組みなのですが、日本ではあまり浸透していません。

それは金融機関の担保評価が低すぎるからです。

長年の土地価格の値下がりと建物価値の評価手法が確立されていないことで、資金需要に対応できているとは到底言い難いです。

そもそもリバースモーゲージには地価下落リスク、金利上昇リスク、長生きリスクがあるとされ、いずれも担保割れにつながるため、金融機関としては積極的な商品構成がし辛い仕組みとなっています。

一方で、新築住宅は減少し、住宅ローンは先細りです。
金融機関は新たな成長商品として、リバースモーゲージを位置付けたい思惑もあります。

日本経済新聞の7月14日朝刊によれば、アメリカでは様子が全く異なるようで、リバースモーゲージの市場規模は20兆円あるそうです。

その拡大の背景として、連邦住宅局が民間金融機関に保険を付保し、担保割れの場合の損害をカバーする「HECM」という仕組みがあり、なんと日本版も始まっているようですね。

住宅金融支援機構の「リ・バース60」というもので、金融機関と保険契約を結び、契約者の死亡時に担保不動産を売却しても返済できない場合、機構が担保価値の下落リスクを負うとのことのようです。

少し調べてみれば、まだまだ担保評価に対する融資額、保険料率とも若干不満を感じましたが、制度としてはかなり前進しているよう印象を受けました。

リバースモーゲージは本格的な高齢化を迎える日本では不可欠ともいえる制度です。

国や金融機関の一層の尽力を期待し、社会的弱者が使えるような仕組みを構築してもらえることを期待します。